目が小さく疲れたように見え、実際より老けた印象を与える眼瞼下垂。眼瞼下垂の手術を受ける前に、トレーニングやマッサージで改善できないか考える人も多いのではないでしょうか。トレーニングをすると本当に効果があるのか、行うときの注意点も把握しておきたいものです。
今回の記事では、以下について解説します。
- 眼瞼下垂にトレーニングは効果的なのか
- トレーニング以外で眼瞼下垂を緩和させる方法
- 眼瞼下垂を悪化させるNG行動
眼瞼下垂のトレーニングについて正しく理解し、悪化させるNG行動も把握することで眼瞼下垂の予防につながります。ぜひ確認して参考にしてください。
眼瞼下垂の予防方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
「眼瞼下垂は自力で治せる?原因・予防方法・改善方法3選を簡単解説」
1、眼瞼下垂にトレーニングは効果的であるのか?
結論からいうと、眼瞼下垂に対してのトレーニングやマッサージは根本改善にはならず、マッサージなどで目もとを擦りすぎると、眼瞼挙筋がゆるんで、かえって症状を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。
眼瞼下垂には生まれつきの症状である「先天性眼瞼下垂」と、年齢とともに症状が強くなる「後天性眼瞼下垂」のものがありますが、どちらも同様です。
本格的に改善するには、外科的な治療が必要と思ってください。
症状や下垂の程度にもよりますが、切らない手術法(埋没式挙筋短縮術)で改善することも可能です。
「切らない眼瞼下垂」
2、トレーニング以外で眼瞼下垂を緩和させる方法
眼瞼下垂の改善は外科手術が基本ですが、中にはどうしても手術を避けたい方や、なかなか踏み切れない方もいらっしゃると思います。
そのような方へおすすめしているのが、トレーニングやマッサージではなく一時的に下垂症状を緩和させる点眼薬です。
この点眼薬には、まぶたの開きを調整するミュラー筋を収縮させる作用があり、1回の使用で3時間程度まぶたが開いた状態をキープできます。
当院では「手術は怖いけど下垂が気になる」「手術後の状態をイメージしたい」方や、仕事や単発のイベントなどで一時的に目力を付けたい方に処方しています。
ただし、緑内障の疾患がある方は使用できませんので注意してください。
3、眼瞼下垂を悪化させるNG行動3つ
眼瞼下垂はトレーニングやマッサージによる改善は難しく、手術によって治療するしかありません。そのため、眼瞼下垂の症状を悪化させないためにも予防することが重要です。
ここでは、眼瞼下垂を悪化させるNG行動を、以下の3つご紹介します。
- ハードコンタクトレンズの長期使用
- アイプチなどで目元を強く引っ張る
- 目を強く擦るなどの刺激
眼瞼挙筋への刺激を避けるために、ぜひ参考にしてください。
(1)ハードコンタクトレンズの長期使用
ハードコンタクトは、一般にソフトコンタクトに比べてレンズに厚みがあります。
そのため、装着した状態でまばたきを繰り返していると、瞼を内側から圧迫して擦る刺激となり、その影響で瞼板から腱膜が外れて腱膜性眼瞼下垂を起こしてしまいます。
また、コンタクトレンズの取り外し方に気を付けることも、眼瞼下垂の予防につながります。コンタクトレンズを外す際に、瞼を強く引っ張ると眼瞼挙筋に負担をかけてしまいます。
眼瞼下垂の症状悪化を防ぐために、コンタクトレンズを外す際には、上まぶたを強く指で持ち上げたり引っ張ったりせず、できるだけ下まぶたを下げて外すようにしましょう。
できればコンタクトレンズの使用回数を減らし、メガネを使用することもまぶたへの負担が軽減できます。
(2)アイプチなどで目元を強く引っ張る
まぶたを無理に強く引っ張ると眼瞼挙筋に負担がかかってしまいます。アイプチはのりで目を二重にしますが、のりを取るときにまぶたを強く引っ張ってしまうため皮膚がかぶれ、結果としてまぶたがたるむ原因になる可能性があります。
ただ、アイプチで目が開くと下垂が緩和されて楽になるという方もいらっしゃるので、使用自体がダメなわけではありませんが、日常的にアイプチを使用する場合は十分に注意が必要です。
(3)目を強く擦るなどの刺激
まぶたを強く擦ると、眼瞼挙筋腱膜へのダメージになる可能性があり、場合によっては皮膚がたるんで、眼瞼下垂の悪化につながります。
例えば、花粉症やアトピーなどの疾患がある方は、日頃から内服薬や外用薬で痒みをコントロールして、できるだけまぶたを擦らないよう気をつけましょう。
また、アイメイクを落とす時や、洗顔後にタオルで顔を拭くときも、ゴシゴシ擦らないようにしましょう。まぶたへの過度な刺激や負担は避け、できるだけ優しく落とすのが理想です。
他にも、毛量の多いつけまつ毛やまつ毛エクステをつけると、まぶたに負荷をかけてしまう原因になります。眼瞼下垂の症状を悪化させる恐れがあるため、できるだけ避けた方が無難です。
4、まとめ
眼瞼下垂に対するトレーニングやマッサージには意味はなく、根本的な改善には至りません。やり方次第では、かえって症状を悪化させてしまうことになります。
眼瞼下垂は眼瞼挙筋の衰えにより症状が悪化するため、ハードコンタクトレンズの長期使用や、日常的にまぶたを擦るといったことは避けましょう。
眼瞼下垂を本格的に改善したい場合は、外科的な治療が必要です。当院では患者様1人ひとりのお悩みと症状に合ったご提案により、今後の生活をより楽しく充実できるものに変えていきます。
当院では対面によるカウンセリングを実施しておりますが、遠方などでご来院が難しい場合は画像相談にて承りますので、ぜひお気軽にご相談ください。